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映画「夢の島」について

この「夢の島」は東京工芸大学にある映画サークル“ニコニコフィルム”の卒業制作として2007に撮影された自主映画です。スタッフは学生が中心の15名ほどで結成され、撮影期間1ヶ月、撮影実数15日ほどの現場になりました。ポスプロにおいては、主要スタッフが卒業したことで、生活費を稼ぐ傍らでの活動になり、1年半の歳月を費やしてしまいました。しかし、その分作品への愛情や客観的な視点で編集などの作業ができたので、完成度の向上に繋がったと思っています。

「夢の島」はモノクロ、自家現像をいかし、黒澤明監督や新藤兼人監督など日本映画が最も栄えた昭和30年代の社会派を意識し、現代の社会問題をその昔っぽい作風で突きつけるということに挑戦しました。また、今私たちが抱えている問題に目を向けさせることができるようなメッセージ性を重視すると同時に、映画として楽しめるように、カーチェイスやライブシーンなどのエンターテイメント性も存分に盛り込みました。

その他、16mmフィルムで私の知るところ世界初となるアナモフィックレンズによるシネマスコープサイズの撮影に挑戦し、映画が一番映画らしく見える構図を手に入れることに成功するなど、技術的にも大変楽しめるものになっています。

結論から言わせて頂くと、この「夢の島」は自主映画として見たこともないエネルギッシュな作品です。若い映画好きなスタッフが持てる力を出し切り、これからの映画界を背負っていく意気込みで作りました。まだまだ未熟な所は多々ありますが、皆様にもその映画愛を感じて頂けたらなと思っている次第です。

監督 蔦 哲一朗

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